先日の記事では、NTT Pro Cyclingとして生まれ変わったDimension Dataについて書いた。
今回は、来シーズンからイスラエル・サイクリングアカデミーとして生まれ変わる、現カチューシャ・アルペシンについてのニュース。
数日前から報道されている、給料未払いの件についての続報。
情報源:Katusha-Alpecin riders to be paid from UCI bank guarantee | Cyclingnews
カチューシャ・アルペシンの歴史
カチューシャは、名前から分かる通り元々ロシア系のチームで、当時は大統領からの支援も受けた国家的なチーム。
しかし、デビューイヤーとなった2009年の相次ぐドーピング発覚により勝ち取った信頼はガタ落ち。
徐々に立て直しを図り、2017年に育毛シャンプーメーカーのアルペシンがスポンサーになったことを受けて、国籍をスイスに変更。
グランツール区間19勝のキッテルを獲得し、さあやるぞと意気込んだが、成績は振るわず。
元々危うかったチーム財政はみるみるうちに悪化していった。
2019年中にスポンサーが見つからなければ、財政都合上解散の危機だったが、プロコンチームのイスラエル・サイクリングアカデミーが、カチューシャを吸収するという形で決着した。
給料未払い事件
数日前に、10月分のカチューシャの選手・スタッフの賃金が払われていないという報道があった。
前月の9月分の給料も遅れていたことがわかり、それは1ヶ月後にはチームによって支払われたが、今回の件で2ヶ月連続2回目。
原因は、スポンサーからの支払いの遅れ。
"It’s a normal delay due to cash availability at the end of the season. I don’t think that there’s any issue at this stage. Riders and staff have been informed of the delay and been told that it’s just a matter of one or two days.
シーズン終了時の通常の遅延です。この段階では問題はないと思います。ライダーとスタッフは遅延について通知を受けており、1日〜2日の問題だと言われました。
"It depends on the payment from the sponsors. Some sponsors have an arrangement where they pay at the end of the month so it puts you in a cash flow situation.
遅延はスポンサーからの支払いに依存します。一部のスポンサーは月末に支払いを行うため、キャッシュフローの状況に陥ります。
今の時期は諸々の費用でどの企業も支払いが多くなるから、スポンサー料として残るはずのキャッシュが手元に残らない。だから遅延が起こる。
今回は、主要スポンサーがそれに該当してしまったということだと思う。
続報
この件から数日が経ったがどうなっているかというと、賃金はUCIから支払われるらしい。
UCI銀行保証というものがあるらしく、これはチームの3ヶ月分の賃金を保証してくれるもので、スポンサーが途中で降りた場合やチームが賃金を支払えなくなった場合に、銀行が保証してくれるもの。
過去にAqua Blue Sport Teamも、シーズン途中に資金を調達できなくなって、この保証が使われた。
今回は切迫した状況でないという話だったが、スポンサー料の調達がまだ遅れそうなのかこの保証が成された。
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