累計4度もタイムトライアル世界チャンピオンになった経験がある、トニー・マルティン。
マルティンは、来年の東京オリンピックには出場せず、世界選手権のタイムトライアルに照準を絞るという。
その理由はなぜか。
情報源:Tony Martin to skip Olympic Games in 2020 | Cyclingnews
今シーズンのトニー・マルティン
今年のグランツールは、ツールとブエルタに出場。
ツールでは、マルティン向きのタイムトライアルがあったが、その後のステージへ向けて温存というチームの指示で、マルティンの勝ちはなかった。
その後も特に活躍らしい活躍は見せなかったが、アシストとしての役割を果たしたとも言える。
ブエルタでは、まさに粉骨砕身の働きだった。
序盤からチームがマイヨ・ロホを獲得した影響で、ユンボヴィスマが毎ステージ集団を牽引していたが、カメラにはマルティンがよく写っていた。
平坦でも牽引、山岳でも牽引と、力強い走りだった。
しかし、第19ステージで落車に巻き込まれ、前身の擦過傷とまぶたを切り裂く怪我をした。
幸いにも大きな怪我ではなかったが、そのままリタイヤする羽目となった。
オリンピックをスルーする理由
今回マルティンは、来年の東京オリンピックをスキップする、とラジオ局で語った。
世界選手権で4度のTTチャンピオンになったマルティンだが、オリンピックでは金メダル経験はない。
もちろん、マルティンだって金メダルを目指したいはずだが、今回はスキップする理由がある。
ズバリ、コースが向いていないから。
東京オリンピックのTTコースは、1周22.1kmの富士スピードウェイを2周するコース。ちなみに女子は1周。
距離もTTにしては長めと言えるが、問題は勾配。
4.9km地点から10.3km地点まで220mもの登りがあり、2周の合計獲得標高は846mにもなる。
山岳が特別苦手というわけではないが、全世界からそのコースに向いた超人が集うオリンピックでは、太刀打ちできないと判断した。
来年の目標
そんなマルティンは、来年は世界選手権へ注力するとのこと。
"My plan is to skip the Olympics in order to prepare 100 per cent for the World Championships,
私の目標は、世界選手権に向けて100%準備するためにオリンピックをスキップすることです。世界選手権の方は私に適しています。
"My manager, Jörg Werner, was there, and he looked at the course and he described it as extremely difficult,"
私のマネージャー、JörgWernerがそこ(富士スピードウェイ)にいってコースを見て、勝つのは非常に難しいと述べました。
マルティンは、2024年のパリオリンピックのときには39歳。
出場は正直厳しいが、その分世界選手権で王者奪還を目指してもらいたい。